3月の三連休の中日、日の出前のさきたま古墳に居りました。
今年は桜の開花が早そうなので、もしかしたら古墳と桜の写真が撮れるかも。
もしだめでも、今日の桜の状況を皆さんにお知らせ出来たら、と出かけたのでありました。
日の出の時間を調べると5時46分だったので、5時半ころには古墳の周辺を散策しておりました。
朝の古墳にはまだ誰もおらず、張り詰めた冷たい空気を僕は堪能しておりました・・・などと言いたいところですが、もう散歩してる人もいるし、三脚を立てて日の出を待っているカメラマンも居ました。
期待していた桜はまだやっと一分咲きか、というところ。まだ桜の写真には早すぎました。
さて、どこで写真を撮ろうかなあ、と思っていると、なんだか騒がしい声が近づいてきます。
少年たちがワイワイガヤガヤ言いながら、自転車でやってきたのです。
少年同士が何か言いあっているのですが、言葉がどうもきつそうな気配。きっと、昨夜からどこかでたむろしていた不良少年たちが、明るくなってきたのでふらふら出てきたのだろうと思いました。
かかわって絡まれたらめんどくさいな、と若干警戒しつつ歩いていると、あろうことか少年のうちの一人が
「あのー」
と声をかけてくるじゃありませんか。あー参ったな、面倒なことになったな、と思ったら、少年の次の言葉は
「日の出ってどっちからですかね?」
あまりに健全な質問に、若干声がひっくり返りながら
「あっちが明るいから、あっちの方からじゃないか?」
とつまらない返事をしてしまった私でありました。
「ありがとうございます」
突如の健全な青少年たちは、丸墓山古墳の麓に自転車を止めて、またわいわい言いながら古墳を上っていきます。
ぼくも彼らにつられるように古墳に上っていきました。
そんな彼らの向こうから、ちょうど日が昇ってきました。
うたがってごめんよ、少年たち。
古墳のてっぺんから日の出を見る健全な青少年たちがいるこの国、なかなか未来は明るいではないか、と満足して帰宅した私でありました。
おしまい。